更新时间:2018-12-17 16:00:55   编辑:shenlibu  点击次数:5194次
第1章 総則
第1条 目的及び根拠
民商事紛争に対する独立、公平かつ適時の仲裁を保障し、当事者の合法な権益を保護するため、中華人民共和国仲裁法その他関連法令の規定に従い、本規則を制定する。
第2条 ハルビン仲裁委員会
(1)ハルビン仲裁委員会(以下「本会」という。)は、中国ハルビンにおいて法律に基づき登録し設立された民商事紛争を取り扱う仲裁機関である。
(2)本会の主任は、本規則に定める職務を行い、副主任又は秘書長は、主任の委託を受けて主任の職務を行う。
(3)ハルビン仲裁委員会事務局は、本会の事務機関であって、本会の日常管理の職務を担当し、仲裁秘書を指定して仲裁事件の手続管理、役務提供を担当させる。
(4)本会は、必要に応じて支部機関を設置し、この支部機関は、その所属する区域、業種の仲裁法律制度の宣伝及び仲裁事件の受理、送達、開廷等の事項を行う。
第3条 紛争受理の範囲
(1)平等な主体たる自然人、法人、非法人組織の間に契約紛争、その他財産権紛争が発生したときは、法律に基づき本会に仲裁を申し立てることができる。
(2)次に掲げる紛争は、本会が受理する範囲に属しない。
1.婚姻、養子縁組、後見、扶養、相続に関する紛争
2.労働紛争、農村集団経済組織における農業請負契約に関する紛争
3.法律に基づき行政機関が取り扱うべき行政上の紛争
第4条 本規則の適用
(1)当事者が紛争につき本会に仲裁を申し立てるものと合意した場合、本規則を適用する。
(2)当事者が紛争につき本会に仲裁を申し立てるものと合意した場合において、本規則の関連する内容について適用を変更し又は他の仲裁規則を適用するものと合意したときは、その合意に従う。ただし、その合意が法律の強行規定と抵触し又は執行不能であるときは、その限りでない。
(3)双方の当事者が手続簡素化のため仲裁廷の構成方法、審理、仲裁判断の方法、答弁の期間、開廷の時間及び場所、送達地等に関し形成した合意は、本会による確認のうえ、その適用を優先する。
(4)本規則に明確な定めのない事項について、本会又は仲裁廷は、適切と認める方法で仲裁手続を進めることができる。
(5)本会が定める特別規則が本規則と一致しないときは、特別規則に準ずる。特別規則に定めがないときは、本規則を適用する。
第5条 誠実の原則
(1)仲裁参加者は、誠実原則に従い、誠実保証書に署名しなければならない。
(2)当事者又はその代理人は、その陳述、提出文書が不実であるとき、相応の結果を負わなければならない。
(3)当事者又はその代理人は、本規則の規定又は仲裁廷の決定に違反して手続の遅延又は費用の増加を生じさせたとき、相応の結果を負わなければならない。
第6条 秘密保持の原則
(1)仲裁廷は、非公開で事件を審理し、仲裁参加者は、法律に別途定めがない限り、その事件の情報を秘密として保持しなければならない。
(2)当事者が公開に合意したときは、公開することができる。ただし、国の秘密、営業上の秘密、ノウハウ又は仲裁廷が公開を不適切と認めたものは、その限りでない。
第7条 異議申立権の放棄
当事者が本規則又は仲裁合意に定める何らかの事項が遵守されていないことを知り又は知りうべきであったにもかかわらず、仲裁手続の進行を継続させ、書面により異議を申し立てなかったときは、異議申立ての権利を放棄したものとみなす。
第2章 仲裁管轄
第8条 仲裁合意
(1)仲裁合意とは、当事者が将来において発生し又は既に発生した民商事紛争について仲裁を申し立てることを約した合意をいい、契約において締結された仲裁条項又は当事者がその他の書面形式で締結した合意を含む。
(2)その他の書面形式による合意は、契約書、書簡、データグラム(テレックス、ファクシミリ、電子データ交換、電子メール)等の有形的な方法をもってその内容を表現しうる合意を含む。
(3)一方の当事者又はその代理人は、本会を通じ、仲裁申込書の方法をもって、相手方当事者に仲裁合意の締結を申し込むことができ、相手方当事者が仲裁申込書に署名又は押印をすることにより、仲裁合意が成立したものとみなす。
第9条 仲裁合意の独立性
仲裁合意は、独立して存在し、契約の変更、譲渡、解除、終了、無効、効力の未発生、取消し又は契約が成立したかどうかは、仲裁合意の独立性に影響しない。
第10条 仲裁合意の効力
(1)契約上の仲裁条項は、当事者の別途合意がない限り、補充契約及び契約付属文書に関する紛争に適用する。
(2)当事者に合併、分割、終了、抹消等の理由による変更が生じたとき、当事者の別途合意がない限り、仲裁合意は、その権利義務を承継した者に対し効力を有する。
(3)当事者が死亡したとき、当事者の別途合意がない限り、仲裁合意は、その仲裁事項における権利義務を承継した者に対し効力を有する。
(4)債権債務の全部又は一部が譲渡された場合、仲裁合意は、その譲受人に対し効力を有する。ただし、債権債務の譲受時において譲受人が明確に反対し若しくは単独の仲裁合意の存在に関する認識を欠き、又は当事者の別途合意があるときは、その限りでない。
第11条 管轄権
(1)当事者が仲裁合意において本会が仲裁を行うものと合意し、若しくは仲裁機関を本会としたものと推定されるとき、又は仲裁合意が明確でないが、仲裁地をハルビンと合意しているときは、本会が仲裁を行う。
(2)当事者が仲裁合意において本規則又は本会が定める特別規則を適用するものと合意したが、仲裁機関が明確でないときは、本会が仲裁を行う。
(3)当事者が仲裁合意において本会の支部機関が仲裁を行うものと合意し、又は合意した本会の支部機関が存在せず若しくは閉鎖されたときは、本会が仲裁を行う。
第12条 管轄権に関する異議
(1)当事者は、仲裁合意の存在、効力又は仲裁事件の管轄権について異議があるときは、書面により申し立てなければならず、開廷審理においては第1回開廷前に、書面審理においては第1回答弁期間の満了前にその申立てをしなければならない。当事者が規定に従って異議を申し立てることをしなかったときは、本会が仲裁事件につき管轄権を有することを認めたものとみなす。
(2)当事者が本会に管轄権に関する異議を申し立てた場合には、本会が管轄権を決定し、状況が複雑で事実を調査する必要があると本会が認めたときは、仲裁廷に審査を授権し、本会が管轄権を決定する。
(3)仲裁廷は、審理の過程において管轄権に関する本会の決定が関連する事実及び証拠と適合しないことを認めたときは、本会に対し管轄権に関する再度の決定を求めることができる。
(4)当事者が人民法院に仲裁合意の効力の確認を申し立て、人民法院が本会に管轄権があるものと裁定した場合において、仲裁廷が構成されていないときは、審理再開決定の送達日から答弁期間を再び起算し、仲裁廷が既に構成されている事件では、審理を継続する。人民法院が本会に管轄権がないものと裁定した場合には、当事者が仲裁の申立てを取り下げることができ、又は本会が事件取下げの決定をする。
第3章 仲裁の申立て、受理、答弁及び反対請求
第13条 仲裁の申立て
(1)仲裁を申し立てるためには、次に掲げる要件を充足しなければならない。
1.本会に仲裁を申し立てる合意が存すること
2.具体的な仲裁請求及び事実、理由が存すること
3.仲裁の事項が本会による受理の範囲に存すること
(2)仲裁を申し立てるときは、仲裁申立書及び次の文書を提出しなければならない。
1.仲裁合意書
2.当事者の主体資格証明書
3.仲裁申立ての根拠となる証拠その他証明文書
4.申立人の送達住所、送達住所確認書に記入すること
5.その他本会が提出を要求する文書
(3)仲裁申立書は、次に掲げる事項を明記しなければならない。
1.当事者の氏名又は名称、住所、郵便番号、電話番号等、法定代表者の氏名、職務及び連絡先
2.仲裁請求及びその根拠となる事実、理由
3.仲裁申立書は、申立人の署名又は押印がなければならない。
(4)当事者は、仲裁の申立てにあたり、本会の規定に従って仲裁費用を予納しなければならない。
(5)当事者は、仲裁費用の予納が確実に困難なときは、本会に支払の猶予、減免を申請することができる。当事者が期日までに仲裁費用を予納せず、又は支払の猶予、減免の申請をしなかったときは、仲裁の申立てを取り下げたものとみなす。
第14条 受理
(1)本会が仲裁の申立てを受けた日から5日以内に、受理の要件を充足するものと認めるものは、これを受理しなければならない。事件を受理した日から5日以内に、仲裁通知書、本規則、仲裁人名簿、仲裁人選定書等を申立人に送達し、仲裁通知書、仲裁申立書副本及びその付属文書、本規則、仲裁人名簿、仲裁人選定書等を被申立人に送達する。
(2)本会が受理の要件を充足しないと認めたときは、書面により不受理の理由を申立人に告知するとともに、その理由を説明しなければならない。
(3)仲裁申立て文書に不備又は表現の不明瞭がある場合、当事者は、所定の期限内にその訂正をしなければならず、正当な理由なく期限までに訂正しなかったときは、仲裁の申立てを放棄したものとみなす。訂正が完了した日をもって受理日とみなす。
(4)仲裁手続は、本会が仲裁の申立てを受理した日から開始する。
第15条 答弁
(1)被申立人は、仲裁通知を受けた日から10日以内に、次に掲げる文書を本会に提出しなければならない。
1.答弁書、その内容として、当事者の氏名又は名称、住所、郵便番号、電話番号等、法定代表者の氏名、職務及び連絡先等、答弁意見及びその根拠となる事実、理由を含むものでなければならず、被申立人による署名若しくは押印、又は法定代表者、責任者による署名がなければならない
2.被申立人の身分証明書
3.答弁の根拠となる証拠その他証明文書
4.被申立人の送達住所、送達住所確認書に記入すること
5.その他本会が要求するの文書
(2)本会は、答弁書を受領した日から3日以内に、申立人に答弁書副本を送達する。
(3)被申立人による答弁書の未提出は、仲裁手続の進行に影響を与えない。
第16条 反対請求
(1)被申立人は、反対請求をすることができる。反対請求の当事者は、仲裁申立ての当事者に限る。
(2)被申立人は、反対請求を行うとき、仲裁通知を受けた日から10日以内に、本会に対し反対請求申立書を提出しなければならない。この期限の超過後に提出された場合に受理するかどうかは、本会又は本会が授権した仲裁廷が決定する。
(3)本会が反対請求申立書を受けた日から5日以内に、受理の要件を充足するものと認めるものは、これを受理しなければならず、被申立人に反対請求仲裁通知書を送達する。被申立人は、本会が定める期限内に仲裁費用を予納しなければならない。期限までに仲裁費用の支払がなかったときは、仲裁反対請求を取り下げたものとみなす。
(4)その他反対請求に関する事項につき本条に定めがないときは、本規則に定める仲裁請求に関する規定による。
第17条 仲裁請求又は反対請求の変更
(1)当事者は、仲裁請求又は反対請求の変更をすることができる。仲裁請求又は反対請求の変更は、書面により行わなければならない。
(2)変更の請求を受理するかどうかは、本会又は本会が授権した仲裁廷が決定する。仲裁廷は、当事者による請求変更の申立てが仲裁手続の正常な進行に影響を及ぼすときは、それを拒絶することができる。
(3)当事者が仲裁廷で仲裁請求を変更した場合において、相手方が仲裁廷で答弁し又は答弁を放棄したときは、仲裁廷は、審理を継続しなければならない。
(4)仲裁請求又は反対請求の変更の申立て、受理、答弁等の事項につき本条に定めがないときは、この章の関連規定による。
第18条 同一の仲裁合意の仲裁外第三者による仲裁手続への参加
(1)申立人が仲裁外第三者を共同被申立人として追加することを申し立て、この仲裁外第三者が既に進行した仲裁手続を承服するとき、これを追加するかどうかは、本会又は本会が授権した仲裁廷が決定する。
(2)仲裁外第三者が共同申立人となることを申し立てた場合、申立人の同意及び既に進行した仲裁手続に対するその仲裁外第三者の承服がなければならず、これを追加するかどうかは、本会又は本会が授権した仲裁廷が決定する。
第19条 非同一の仲裁合意の仲裁外第三者による仲裁手続への参加
(1)仲裁外第三者が仲裁手続に参加して共同申立人、共同被申立人となるためには、その仲裁外第三者、双方の当事者すべてによる仲裁合意の形成及び既に進行した仲裁手続に対するその仲裁外第三者の承服がなければならず、これを追加するかどうかは、本会又は本会が授権した仲裁廷が決定する。
(2)仲裁外第三者が仲裁手続への参加を拒絶した場合、仲裁廷は、その事件が基本的な仲裁判断条件を備えないものと認めたとき、申立人に申立ての取下げを勧告することができ、申立人が申立ての取下げに同意しないときは、仲裁の申立てを棄却することができる。一方又は双方の当事者が仲裁合意の解除を主張したときは、仲裁合意解除の決定をしなければならない。
第20条 保全その他暫定措置
(1)当事者は、相手方当事者の行為その他の理由によって仲裁判断の執行が不能又は困難となるおそれがあるとき、財産保全を申し立てることができる。
(2)証拠が滅失し又は事後において取得困難となるおそれがあるとき、当事者は、証拠保全を申し立てることができる。
(3)当事者が財産又は証拠の保全を申し立てたとき、本会は、管轄権ある人民法院に対し、その当事者の申立てを速やかに提出しなければならない。
(4)当事者は、緊急の状況ゆえ、直ちに保全を申し立てないとその合法的な権益に補填の困難な損害が生ずるおそれがあるときは、仲裁を申し立てる前に、被保全財産の所在地又は被申立人の住所地の人民法院に保全措置を申し立てることができる。
第21条 代理人
(1)当事者又はその法定代理人は、1人から3人の者に代理人の委託をすることができる。当事者が申請し、仲裁廷が許可したときは、代理人の数を適切に増やすことができる。
(2)代理人の数が2人を超えるときは、仲裁廷に対しそのうち1人を主要発言者として確定しなければならず、当事者が委託した複数の代理人の意見が対立し、当事者がその立場を明示していないときは、主要発言者の意見に準ずる。
(3)当事者は、仲裁手続を代理人に委任するとき、代理事項及び権限を明記した授権委託書並びに代理人の身分証明書を本会に提出しなければならない。
(4)代理人の代理権限を変更し又は代理関係を解除するとき、当事者は、本会に書面により通知しなければならない。この書面による通知の前、代理人であった者による代理行為は、当事者に対し引き続き有効とする。
第4章 仲裁廷
第22条 仲裁人名簿
(1)本会は、仲裁人名簿を設置する。当事者は、この名簿から仲裁人を選択することができる。
(2)当事者が関連する規定に基づき仲裁人名簿以外から臨時仲裁人を選択するときは、本会にこの候補者の専門履歴書及び連絡先を提出しなければならず、本会による確認の後、仲裁人に就任することができる。
第23条 仲裁廷の構成
(1)仲裁廷は、3人又は1人の仲裁人により構成する。3人の仲裁人で構成するときは、首席仲裁人を設置する。
(2)当事者は、3人の仲裁人による仲裁廷の構成に合意したときは、仲裁通知を受領した日から10日以内に、仲裁人をそれぞれ選定し、又は仲裁人1人の指定を主任に委託しなければならない。事件において2人又はそれ以上の申立人又は被申立人が存するときは、申立人又は被申立人は、仲裁人の選定又は主任に対する仲裁人1人の任命の委託を共同して行わなければならない。
(3)双方の当事者は、主席仲裁人を自ら推薦し若しくはその指定を主任に委託すること、又は仲裁人を選定し、この仲裁人において1人から5人の仲裁人を首席仲裁人候補として推薦することができ、推薦名簿に共通する者が1人あるときは、これを双方の当事者が共同して選定した首席仲裁人とし、推薦名簿に共通する者が2人以上あるときは、主任が確定し、共同して選定することができなかったときは、主任が首席仲裁人を指定する。
(4)双方の当事者は1人の仲裁人による仲裁廷の構成に合意したときは、仲裁通知を受領した日から10日以内に1人から3人の仲裁人をそれぞれ推薦しなければならず、推薦名簿に共通する者が1人あるときは、これを双方の当事者が共同して選定した仲裁人とし、推薦名簿に共通する者が2人以上あるときは、主任が確定し又は仲裁人1人の指定を主任に委託する。
(5)双方の当事者が黒竜江省以外の仲裁人を選定するときは、仲裁人の旅費、食事代、宿泊費などの必要な経費を負担しなければならない。本会が定める期限内に支払がないときは、仲裁人を選定しなかったものとみなす。主任は、この条の規定に基づいて仲裁人を指定することができる。
第24条 仲裁廷構成の通知
本会は、仲裁廷の構成から5日以内に、仲裁廷の構成の状況を各当事者に対し書面により通知すること、及び仲裁廷の構成員に対し事件に関連する文書を送達することをしなければならない。
第25条 仲裁人に関する情報の開示
(1)仲裁人は、選定又は指定された後、表明書に署名し、書面により、その独立性又は公平性に合理的な疑いを生じさせうる事情を開示しなければならない。
(2)仲裁の過程で開示すべき事情が出現したときは、仲裁人は、直ちに書面によりそれを開示しなければならない。
(3)本会は、当事者に対し、仲裁人が書面により開示した情報を速やかに通知しなければならない。
(4)当事者は、仲裁人がこの条の規定に従って開示した事項を理由として仲裁人の忌避を要求するときは、その事項の開示を知った後5日以内に書面の形式で本会に申し立てなければならない。この期限までに申立てをしなかったときは、仲裁人が開示した事項を理由とする忌避の申立てをしてはならない。
第26条 忌避
(1)仲裁人は、次に掲げる事由のいずれかが存するときは回避しなければならず、当事者は、仲裁人の忌避を申し立てることができる。
1.当該事件の当事者又は当事者、代理人の親族であること
2.当該事件と利害関係を有すること
3.当該事件の当事者、代理人とその他の関係を有し、公正な判断に影響を与えうること
4.許可なく当事者、代理人と面会し又は当事者、代理人による接待、贈与を受けたこと
(2)本条の第1項に定める「その他の関係」とは、次に掲げる事情をいう。
1.当該事件について当事者に対し事前に意見を提示したこと
2.現に当事者の法律顧問その他の顧問を務めていること、又は過去に法律顧問その他の顧問を務め、その関係の終了から2年未満であること
3.過去に当事者の代理人を務め、その事件の終結から2年未満であること
4.いずれか一方の当事者、代理人と現に同一の所属先に勤務し、又は過去2年以内に同一の所属先で勤務していたこと
5.本会の未決事件において、当該事件の当事者、代理人と同一の仲裁廷の構成員を担っていること
(3)当事者は、仲裁人の忌避を申し立てるとき、本会に対し書面によりそれを行い、忌避の理由を説明するとともに、関連する証拠を提出しなければならない。
(4)当事者による忌避の申立ては、第1回開廷前に行わなければならない。忌避の理由を第1回開廷後に知ったときは、最終回の開廷の終了前に行うことができる。開廷しないことに合意したときは、忌避の理由を知った後5日以内に行わなければならない。
(5)忌避の申立てを受けた後、本会は、その忌避申立てを相手方当事者及び仲裁廷構成員に転送しなければならない。相手方当事者、忌避を申立てられた仲裁人及び仲裁廷の他の構成員は、本会に対し書面により意見を提示することができる。
(6)一方の当事者が忌避を申し立て、他方の当事者がこれに同意し、又は忌避を申立てられた仲裁人が自発的に当該事件の仲裁人を辞任したとき、その仲裁人は、事件の審理に参加しない。ただし、それをもって当事者の忌避申立ての理由が成立することの表明とすることはできない。
(7)この条の第6項に定める場合を除き、仲裁人の忌避については主任が決定し、主任が仲裁人を務める場合における忌避については、本会が合議により決定する。
(8)仲裁秘書、通訳人、鑑定人、検証人の忌避については、この条の規定を適用し、忌避するかどうかは、主任が決定する。
第27条 仲裁人の変更
(1)仲裁人は、次に掲げる事由のいずれかが存するときは、これを変更しなければならない。
1.仲裁人が死亡し又は健康上の理由により仲裁の職務に従事しえないこと
2.仲裁人の出張、出国等により当該事件の審理期間に影響が及ぶこと
3.仲裁人が自発的に当該事件の審理から退き、又は双方の当事者が合意のうえ仲裁人に対し当該事件の審理から退くことを要求したこと
4.仲裁人が回避したこと
5.本会が仲裁人について、法律上又は事実上その職務を遂行することができず又は本規則の要求に基づくその遂行をしていなかったと認めたこと
(2)仲裁人の変更は、本会の主任が決定する。
(3)変更された仲裁人が当事者により選定された者であるとき、当事者は、仲裁人変更通知を受けた日から5日以内に再び選定をしなければならず、本会の主任が指定した者であるときは、本会の主任が別途指定する。仲裁人が再び選定又は指定された後、本会は、当事者に対し仲裁廷再構成の通知を送達しなければならない。
(4)仲裁人が再び選定又は指定された後、既に進行した仲裁手続を再び行うか否か及び再び行う範囲について当事者が合意に達していないときは、新たに構成された仲裁廷が決定する。仲裁廷が仲裁手続の全部を再び行うことを決定したとき、本規則に定める審理の期間は、仲裁廷が再び構成された日から起算する。
第5章 証拠
第28条 証拠の提出
(1)当事者は、自己の主張について立証責任を負う。
(2)当事者は、証拠資料を提出するとき、分類編集、番号及び頁数の明示をしなければならないほか、証拠目録の添付、証明資料の名称、証明内容、提出日の明記、確認のための署名又は押印をしなければならない。
(3)当事者は、仲裁通知書を受領した日から20日以内に立証を完了しなければならない。期限を経過して提出したとき、これを受理するかどうかは、仲裁廷が決定する。当事者は、立証期間内に証拠を提出することが確実に困難なときは、立証期限内にその延長を書面により申請することができ、延長するかどうかは、仲裁廷が決定する。
(4)当事者が所定の期間内に証拠を提出せず、又は提出した証拠が自己の主張の証明に不足するとき、立証責任を負う当事者は、それにより生ずる不利な結果を負わなければならない。
第29条 証拠の交換
(1)本会及び仲裁廷は、開廷前に、証拠を当事者に送達しなければならない。
(2)仲裁廷は、開廷前に、仲裁人を派遣して又は仲裁秘書に委託して双方の当事者を召集し証拠の確認をすることができる。
第30条 証拠の補充
(1)開廷審理の終了前に、当事者が証拠の補充をする必要があるとき、仲裁廷に対し書面により申請することができ、これを許可するかどうかは仲裁廷が決定する。
(2)仲裁廷は、その必要を認めたとき、当事者に対し、所定の期限内に証拠の補充を要求することができる。
第31条 仲裁廷による証拠の調査収集
(1)客観的な理由により証拠の収集ができないときは、当事者は、仲裁廷に対し、証拠の調査収集を申請することができる。仲裁廷は、自ら又は仲裁秘書に委託して証拠の調査収集を行うことができ、それを行うとき、2人以上の人員が立ち会い、記録を作成しなければならない。。
(2)仲裁廷が証拠の調査収集をするときは、当事者に対し、立会いの通知をすることができる。当事者が通知を受けて立ち会わないことは、証拠の調査収集の実行に影響を与えない。
(3)仲裁廷は、調査記録、証拠を当事者に送達しなければならず、当事者は、証拠抗弁を行う。
第32条 鑑定
(1)仲裁廷は、専門的な問題について専門機関若しくは専門家に意見を求めること、又は当事者が合意した鑑定機関に鑑定を依頼することができ、仲裁廷は、鑑定機関を指定して鑑定を行うことができる。
(2)当事者は、鑑定を申請するとき、鑑定申請書及び鑑定に必要な関連する文書を提出しなければならない。
(3)鑑定費用は、鑑定を申請した当事者が予納し、又は双方の当事者が仲裁廷の決定に基づき予納しなければならない。当事者が予納しないとき、仲裁廷は、鑑定をしない決定をすることができる。
(4)鑑定人は、書面により鑑定意見を提示しなければならない。当事者は、鑑定意見の副本を受けた後、鑑定意見に対し意見を提示することができる。
(5)鑑定人は、当事者の請求又は仲裁廷の要求に基づき、出廷して質問を受けなければならない。
(6)双方の当事者が鑑定を拒むとき、仲裁廷は、既存の証拠に基づいて判断をすることができる。
第33条 証人の証言
(1)当事者は、証人が出廷して証言を行うことを申請するときは、立証期間において書面形式で行い、証人の身分を証明する文書、連絡先、証明しようとする事項を提出しなければならない。これを許可するかどうかは、仲裁廷が決定する。
(2)証人は、誠実保証書に署名しなければならず、署名を拒むときは、証言をすることができない。
(3)証人は、出廷して証言をするとき、仲裁廷及び当事者からの関連事項に関する質問に如実に回答しなければならず、虚偽の陳述をしたときは、相応の法的責任を負わなければならない。
第34条 専門的補助者
(1)当事者は、専門的補助者の出廷を申請するときは、開廷から3日前までにその申請を行い、専門的補助者の身分及び専門知識を証明する文書、連絡先、証明しようとする専門的な問題等の文書を提出しなければならない。これを許可するかどうかは、仲裁廷が決定する。
(2)専門的補助者は、仲裁廷及び当事者からの質問を受けなければならない。専門的補助者の間において、専門的な問題について相互に質問することができる。
(3)専門的補助者は、専門的な問題以外の審理に参加してはならない。
(4)専門的補助者の出廷費用は、当事者が自ら負担する。
第35条 証拠抗弁
(1)開廷審理を行う事件において、証拠は、開廷時にこれを提示し、当事者において抗弁をしなければならない。
(2)書面により審理の証拠資料又は開廷後に提出された証拠資料については、仲裁廷の許可を得て、当事者は、書面により証拠抗弁を行うことができ、この場合においては、仲裁廷が定める期限内に書面による証拠抗弁意見を提出しなければならない。
(3)当事者が証拠交換の過程で相互に同意し記録した証拠は、仲裁廷が仲裁廷における審理で説明した後、その提示なく直ちに事実認定の根拠とすることができる。
(4)期限を経過して提出された証拠に関し、仲裁廷は、開廷審理をしないことを決定したとき、一定期間内にその証拠に対する証拠抗弁意見を書面により提出することを当事者に要求することができる。
第36条 証拠の認定
(1)証拠は、仲裁廷が認定する。専門的補助者又は専門の機関及び専門家の意見又は鑑定意見を採用するかどうかは、仲裁廷が決定する。
(2)仲裁廷による証拠の認定は、関連する法律、行政規則及び司法解釈に従うほか、業界慣行及び取引習慣と併せて決定することができる。
(3)仲裁廷は、当事者がそれを否定する反対の証拠を有していない限り、当事者が仲裁申立書、答弁書、陳述書その他書面で認めた自己に不利な事実及び同意した証拠につき、認定をすることができる。
(4)当事者は、相手方当事者が陳述した事実について意見を明確にしていない場合において、仲裁廷が説明し質問した後も、依然として意見を明確にしないとき、その事実を認識したものとみなす。
(5)当事者が正当な理由なく証拠の提供を拒否した場合において、相手方がその証拠の内容は当該証拠の所有者に不利になると主張したとき、その主張は成立するものと推定する。
第6章 審理
第37条 審理の方法
(1)仲裁廷は、開廷して事件を審理しなければならない。両当事者が開廷しないことに合意した場合、又は仲裁廷が開廷を要しないと認め、各当事者が書面により同意した場合、仲裁廷は、仲裁申立書、答弁書、証拠資料等に従って審理し、仲裁判断を行うことができる。
(2)当事者がインターネット仲裁方式を使用する事件の審理に合意した場合、仲裁廷は、ネットワーク仲裁方式を採用しなければならない。
(3)仲裁廷は、必要があると認めるときは、自ら又は首席仲裁人に委託して手続指示を出し、争点目録を発し、開廷前会議を開き、予備開廷を行い、審理範囲書を作成するなどの措置をとることができる。
第38条 開廷地
(1)本会の所在地を開廷審理の場所とする。主任の許可を得て、仲裁廷が適切と認め又は当事者が合意した場所で開廷し事件の審理をすることができる。
(2)当事者が本会又は支部機関の所在地以外の場所で開廷することに合意した場合、開廷により発生する旅費、食事代、宿泊費等の費用は、所定の期限内に予納しなければならず、予定通り予納しなかった場合、本会又は支部機関の所在地で開廷する。
第39条 開廷前の準備
(1)仲裁廷は、開廷前において、審理期間の要求に従い、各項目を合理的に整理し、当事者が提出した書面資料を審査し、審理案を作成し、必要に応じて当事者に聴取をすることができる。
(2)当事者の請求に基づき又は当事者の同意を得て、仲裁廷は、自ら又は首席仲裁人に委託して開廷前に調停をすることができる。
第40条 開廷の通知
(1)仲裁廷は、第1回開廷日の5日前に開廷日及び開廷場所を当事者に通知しなければならず、当事者の同意を得て、仲裁廷は、期日前に開廷することができ、当事者が正当な理由をもって開廷の延期を請求する場合、第1回開廷日の3日前に書面で行い、開廷を延期するかどうかは、仲裁廷が決定する。
(2)再開廷及び延期後の開廷日の通知は、5日の期限の制限を受けない。
第41条 当事者の身分の確認
(1)開廷審理の前に、仲裁秘書は、当事者、代理人その他仲裁参加者が仲裁廷に出席しているかどうかを確認しなければならない。
(2)開廷審理時、首席仲裁人又は仲裁人は、当事者の身分を確認する。
第42条 欠席審理
(1)申立人が正当な理由なく出廷せず又は開廷審理時に仲裁廷の許可なく途中で退廷した場合、仲裁申立てを取り下げたものとみなし、被申立人が反対請求をした場合、仲裁廷の反対請求の欠席審理に影響を与えない。
(2)被申立人が正当な理由なく出廷せず又は開廷審理時に仲裁廷の許可なく途中で退廷した場合、仲裁廷は、欠席審理をすることができ、被申立人が反対請求を提起した場合、反対請求を取り下げたものとみなす。
第43条 開廷審理調査
(1)当事者は、仲裁請求、反対請求及び事実と理由を陳述し、他方の当事者が答弁をする。
(2)当事者は証拠を提示し、相互に証拠抗弁を行い、仲裁廷は、証拠を検証する。
(3)仲裁廷は、その事件について当事者に質問し、調査する。
(4)双方の当事者は、仲裁廷の支配の下で相互に質問することができる。
(5)仲裁廷が調査の必要があると考えるその他の面。
(6)仲裁廷は、開廷審理の調査において、当事者が事件に関係のない意見又は侮辱的発言を公表したときは、それを止める。
第44条 弁論及び最終意見
(1)当事者は、審理中に弁論することができ、当事者の弁論は、紛争の焦点について展開しなければならない。仲裁廷は、事件の状況に基づいて開廷後に書面による弁論意見を提出するよう当事者に要求することができる。
(2)弁論が終わった後、当事者は、最終意見を仲裁廷に陳述し又は仲裁廷が定める期限内に提示することができる。
第45条 審理の記録
(1)仲裁廷は、開廷審理の状況を記録しなければならない。
(2)当事者とその他仲裁参加者は、自己の陳述記録に遺漏や誤りがあると判断したときは、補正を申請することができる。仲裁廷が補正をしないとき、その申請を記録しなければならない。
(3)仲裁人、記録員、当事者とその他仲裁参加者は、記録に署名又は押印をする。当事者その他仲裁参加者が署名又は押印をしないとき、その事情を記録しなければならない。ただし、記録の効力には影響を与えない。
第46条 審理の併合
(1)仲裁の対象が関連する2つ又は2つ以上の事件は、一方の当事者が申し立て、他方の当事者が同意した後、仲裁廷は、審理を併合でき、状況により事件の審理の具体的な手続又は方法を決定する。
(2)審理併合の事件は、当事者が別途合意しない限り、仲裁手続が最初に開始された事件に併合しなければならない。仲裁廷は、当事者が1つの仲裁判断書とすることに同意しない限り、併合した事件について別個に発しなければならない。
(3)仲裁廷の構成員が異なる事件は、審理を併合してはならない。
第47条 専門家諮問
(1)本会は、規則に基づき専門家諮問委員会を設置する。
(2)仲裁廷が必要と認めたとき、又は当事者がそれを申請し仲裁廷が許可したとき、専門家諮問委員会に専門性が高く、判断が困難で複雑などの事件につき諮問をすることができる。
(3)本会は、専門家諮問会を招集する必要があると認める。
(4)仲裁廷は、専門家諮問委員会の意見書を十分に考慮しなければならず、採用しないときは、その理由を本会に書面で説明しなければならない。
第48条 仲裁申立ての取下げ及び事件の取消し
(1)当事者は、仲裁又は仲裁反対請求の申立てを取り下げることができる。申立人が仲裁申立てを、又は被申立人が判定請求の申立てを取り下げたとき、被申立人の反対請求の申立て又は申立人の申立てに対する審理及び仲裁判断に影響しない。
(2)仲裁廷が構成される前に、当事者が仲裁申立てを取り下げた場合、事件取消しの決定は、本会が行い、仲裁廷が構成された後、当事者が仲裁申立てを取り下げた場合、仲裁廷が棄却の決定をする。
(3)当事者が仲裁申立てを取り下げた場合は、仲裁合意書に従って再度仲裁を申し立てることができる。
(4)本会又は仲裁廷は、法律その他の理由により仲裁手続の続行が必要なく又はできない場合、当該事件を取り消すことを決定することができる。
第49条 和解
(1)当事者は、自ら和解することができる。当事者が自ら和解合意に達した場合、和解合意書の内容に従って仲裁廷に仲裁判断書又は調停書の作成を請求すること、仲裁申立てを取り下げることができる。
(2)当事者が和解契約に達した後に悔いたが仲裁申立てを取り下げなかった場合、仲裁手続は継続する。仲裁申立てが取り下げられた場合、当事者は、当初の仲裁合意に従って仲裁申立てを再びすることができる。
第50条 調停
(1)仲裁廷は、当事者の請求又は当事者の同意に基づき、適切な調停措置を講ずることができる。
(2)調停によって合意に至った場合、仲裁廷は、調停書を作成し、又は調停合意の結果に基づいて仲裁判断書を作成しなければならない。調停書は、仲裁判断書と同じ法的効力を持つ。
(3)調停書には、仲裁請求、当事者間の合意の結果及び仲裁費用の負担状況が記載されなければならない。調停書は、仲裁人によって署名され、本会の印が押され、双方の当事者に送達する。双方の当事者によって調停書に署名した後、法的効力が発する。当事者が調停書を受ける前に悔いた場合、仲裁廷は、適時に仲裁判断を下さなければならない。
(4)調停が失敗した場合、仲裁廷は、適時に仲裁判断を下すものとする。いずれの当事者も、その後の仲裁手続、司法手続その他の手続において請求、答弁又は反対請求の根拠とするため、相手方当事者又は仲裁廷の調停の過程における陳述、意見、見解又は提言を利用してはならない。
第51条 仲裁手続の中断及び再開
(1)仲裁は、以下のいずれかの状況において中断する。
1.当事者が仲裁合意の有効性の確認を人民法院に申請したこと
2.当事者が死亡し、相続人が仲裁に参加するのを待つ必要があること
3.当事者は能力を失い、法定代理人が決定していないこと
4.当事者である法人その他の組織が終了し、権利義務の承継人がまだ決定していないこと
5.当事者が不可抗力のため仲裁に参加することができないこと
6.本事件が別件の審理結果に基づくものでなければならず、別件の審理が終了していないこと
7.その他仲裁を中止すべき状況
(2)双方の当事者が共同して申請し、本会又は仲裁廷が許可した後、仲裁手続は中止することができる。
(3)仲裁廷が構成される前に中止の原因が生じたときは、本会が決定し、仲裁廷の構成後に生じた場合は、仲裁廷が決定する。
(4)仲裁を中止する理由が解消した後、仲裁を再開する。仲裁の中止及び再開の決定は、当事者に通知しなければならない。
第52条 仲裁手続の終了
(1)仲裁は、以下のいずれかの状況で終了する。
1.申立人が死亡又は終了し、相続人がなく又は相続人が仲裁の権利を放棄したこと
2.被申立人が死亡又は終了し、遺産又は財産がなく、義務を負担する者がないこと
3.その他仲裁を終了すべき状況
(2)仲裁廷の構成される前に終了の原因が生じた場合は、本会が決定し、仲裁廷が構成後に生じた場合は、仲裁廷が決定する。仲裁を終了する決定は、当事者に送達しなければならない。
第53条 多数の仲裁人による仲裁手続の継続
(1)開廷終結後、仲裁廷の首席仲裁人の死亡その他の理由により仲裁手続を完了できない場合においては、各当事者の合意を得て、主任が他の2人の仲裁人から首席仲裁人を指定し、仲裁手続を継続する。
(2)開廷終結後、仲裁廷の非首席仲裁人の死亡その他の理由により仲裁手続を完了できない場合は、各当事者の合意を得て、主任の承認を得た上で仲裁手続を継続する。
第7章 決定及び仲裁判断
第54条 決定
(1)仲裁廷は、事件の審理中に手続に関する事項につき決定することができる。
(2)3人の仲裁人が仲裁廷を構成する場合、その決定は、多数意見に従うものでなければならない。多数意見が形成できない場合は、首席仲裁人の意見に基づかなければならない。
(3)双方の当事者が合意し又は他の仲裁人による授権を得て、首席仲裁人は、手続事項につき決定をすることができる。
(4)決定は、発せられた日より法的効力が生じる。
第55条 仲裁の期間
(1)仲裁廷は、その構成の日から4月以内に仲裁判断を下さなければならない。
(2)特殊事情があって延期が必要になる場合、首席仲裁員は、審理期間の満了日の15日前に書面による申請をしなければならず、主任の承認を得て適切に延長することができる。
(3)中止、鑑定及び双方の当事者が共同で申し立てた仲裁廷外の和解の時間等は、審理時間に算入しない。
第56条 仲裁判断
(1)仲裁廷が3人の仲裁人で構成されている場合、仲裁事件の仲裁判断は、合議で行い、合議記録を作成しなければならない。仲裁判断は、多数の仲裁人の意見に基づき、多数意見が形成できない場合は、首席仲裁人の意見に基づかなければならない。仲裁人の異なる意見は、記録しなければならない。
(2)仲裁廷が1人の仲裁人で構成される場合、仲裁人が仲裁判断を下す。
(3)仲裁判断書には、当事者の状況、仲裁請求、紛争の事実、仲裁判断の理由、仲裁判断の結果、仲裁費用の負担、履行の期限、仲裁判断の日が記載されなければならない。双方の当事者が別段の合意をした場合、紛争の事実及び仲裁判断の理由は明記しないことができる。
(4)仲裁判断書は、仲裁人によって署名または電子署名され、公印または電子署名を付する。仲裁判断書と意見の異なる仲裁人は、署名をすること、しないことができる。署名しない仲裁人は、書面で意見を提示しなけれならない。
第57条 先行仲裁判断及び併合仲裁判断
(1)当事者が申請を行い、仲裁廷が必要と認めるときは、当事者の請求の一部につき先行して仲裁判断を下すことができる。先行仲裁判断は、最終仲裁判断の不可欠な構成部分であり、法的効力を有する。
(2)併合審理の事件は、仲裁廷は、別個に仲裁判断を下さなければならず、当事者が合意し、仲裁廷が一括した仲裁判断が紛争の処理に有利と判断した場合は、併合仲裁判断とすることができる。
第58条 仲裁の確認及び転換
(1)当事者は、事件受理の前に、紛争について和解合意又は調停合意に達したときは、本会に対し、和解契約又は調停協定の内容を確認のうえ調停書又は仲裁判断書を作成することを申し立てることができる。
(2)本会は、当事者の申立てに基づいて、仮仲裁判断書又は調停書を確認し、仮仲裁判断書又は調停書を当該機関の仲裁文書に転換することができる。
第59条 費用負担
(1)仲裁廷は、仲裁判断書において当事者が負担する仲裁費用その他の費用を確定しなければならない。
(2)仲裁廷は、当事者の責任に基づいて仲裁費用の割合を決定することができる。当事者は、自ら和解し又は仲裁廷の調停により事件が解決した場合、各自の負担の割合につき協議することができる。
第60条 仲裁判断の効力及び履行
(1)仲裁判断書は、発せられた日から法的効力を有する。仲裁判断は、終局的判断であり、双方の当事者に拘束力がある。
(2)仲裁判断書が発せられた後、当事者は、仲裁判断書によって確定された履行期限に従って仲裁判断を履行する。履行期限が定められていない場合は、直ちに履行する。
第61条 仲裁判断の補正及び補充
(1)仲裁判断書の文字、計算等の誤り、又は仲裁廷の意見部分が当事者の仲裁申立事項について既に判断したが、仲裁判断書主文から漏れた事項について、仲裁廷は、補正を行わなければならない。
(2)仲裁廷は、当事者の仲裁申立事項に対する判断が漏れた場合、補充判断を行わなければならない。仲裁廷が開廷する必要があると判断した場合、判断の漏れた事項について開廷審理を行うことができる。
(3)仲裁判断書の受領日から30日以内に、当事者は、仲裁廷に対し書面により補正又は補充判断を請求することができる。
(4)仲裁廷による補正又は補充判断は、原仲裁判断の不可欠な構成部分である。
第62条 再仲裁
(1)当事者が仲裁判断の取消しを申し立て、人民法院が再仲裁を行うことができると認め、仲裁廷が合意する場合は、原仲裁廷が行う。
(2)原仲裁廷が再仲裁の職務を履行できず、又は双方の当事者が合意のうえ仲裁廷の再構成を要求した場合は、新たな仲裁廷の構成につき主任の許可を得て、この新たな仲裁廷において仲裁を行うことができる。
(3)当事者が再仲裁手続において証拠補充を申請する場合、許可するかどうかは、仲裁廷が決定する。仲裁廷が許可した場合、当事者は、所定の期限内に証拠を補充しなければならない。
第8章 簡易手続
第63条 簡易手続の適用
(1)紛争の金額が100万人民元以下である場合、ただし、当事者が普通手続を適用することに合意し、又は本会が困難、複雑、当事者の矛盾が多い事件で、普通手続を適用するものと認めたときは、その限りでない。
(2)紛争の金額が100万人民元を超えるが、当事者が簡易手続を適用することに合意する場合。
(3)当事者が仲裁請求を変更した後の紛争金額が100万人民元を超え、又は紛争の金額に被申立人の反対請求の紛争金額を加えて100万人民元を超える場合は、簡易手続を適用する。ただし、当事者が簡易手続を適用しないと合意し、又は本会が簡易手続が適切でないと認めた場合は、その限りでない。
(4)仲裁廷が構成される前に、通常の手続が当初適用された場合において、一方の当事者が仲裁申請を取り下げ又は反対請求をし、取り下げられていない仲裁請求又は反対請求の金額が100万人民元を超えない場合は、簡易手続を適用することができる。
(5)粉争金額がなく又は紛争金額が明確でない場合、本会が事件の複雑さ、社会的影響、当事者の利害などの要素を考慮して簡易手続を適用するかどうかを決定する。
(6)本規則の第9章が簡易手続に関する特別規定を設ける場合は、第9章の関連規定を適用する。
第64条 仲裁廷の構成
(1)簡易手続を適用する事件は、1人の仲裁人が仲裁廷を構成し、審理する。
(2)当事者は、仲裁通知を受領した日から7日以内に、共同で仲裁人を選定し又は共同で仲裁人の指定を主任に委託する。期限内に共同で選出せず、又は共同で主任に指定を委託しなかったときは、主任が指定する。
第65条 答弁及び反対請求
被申立人は、仲裁通知を受領した日から7日以内に、本会に答弁書、証拠及び関連する証明資料を提出しなければならない。反対請求する場合、この期間内に書面で提出しなければならない。
第66条 開廷通知
(1)仲裁廷は、開廷の3日前に、開廷の時間及び場所を当事者に通知しなければならない。双方の当事者が合意した場合、仲裁廷は、開廷期日を繰り上げることができる。
(2)仲裁廷は、1回の開廷審理を原則とし、必要な場合は、再度開廷することができ、再開の時間は3日の制限を受けない。
(3)当事者が開廷延期の正当な理由を有する場合、審理の1日前に書面で提出し、延期するかどうかは仲裁廷が決定する。
第67条 手続の変更
(1)仲裁請求の変更又は反対請求の申立てにより、紛争金額が100万人民元を超える場合には、当事者が申請し、又は仲裁廷が必要と認めたときは、主任の承認を得て、簡易手続から普通手続に変更することができる。
(2)審理において事件が複雑であり、普通手続に変更する必要がある場合は、仲裁廷が主任に承認を求め、これが得られた後、普通手続に変更する。
(3)手続が変更された後、当事者は、手続の変更通知を受領した日から5日以内に、本規則の規定に従って仲裁人を選定しなければならない。
第68条 審理手続
仲裁人は、適切と認める手続に従って事件を審理すること、開廷審問、証拠抗弁、弁論及び調停を重畳的に行うことができる。
第69条 仲裁期間
仲裁廷は、構成の日から2月以内に仲裁判断を下さなければならない。特殊事情があり、延長が必要なる場合、仲裁人は、10日前に書面で申請し、主任の承認を得て適切に延長することができる。
第70条 本規則の他の規定の適用
この章に規定されていない事項については、本規則の他の条項を適用する。
第9章 国際商事仲裁に関する特別規定
第71条 適用範囲
(1)一方又は双方の当事者が外国人、無国籍者、外国企業又は組織である仲裁事件については、この章の規定を適用する。
(2)一方又は双方の当事者が香港特別行政区、マカオ特別行政区又は台湾地域の住民である仲裁事件は、この章の規定に照らし適用する。
(3)当事者が外国関連要因を有するかどうかについて紛争がある場合は、本会又は仲裁廷が決定する。
第72条 答弁
(1)被申立人は、仲裁通知を受領した日から45日以内に書面による答弁書、身分証明書、証拠その他の関連資料を本会に提出しなければならない。簡易手続適用事件の期限は30日とする。
(2)被申立人が反対請求を提起した場合、反対請求は、45日以内に提出しなければならない。簡易手続適用事件の期限は30日とする。
(3)当事者が答弁書を提出しない場合、仲裁手続の進行に影響を与えない。
第73条 仲裁人の選定期間
双方の当事者は、仲裁通知を受領した日から20日以内に仲裁廷の構成員を選定する。簡易手続適用事件の期限は10日とする。
第74条 第一回開廷及び開廷の延期
(1)第1回開廷の場合、開廷の通知は、開廷の30日前に双方の当事者に送達しなければならない。簡易手続適用事件の期限は20日とする。
(2)当事者が正当な理由があり開廷延期を請求する場合、開廷の10日前に書面で提出しなければならず、延期するかどうかは、仲裁廷が決定する。簡易手続適用事件の期限は7日とする。
第75条 仲裁の期間
仲裁廷は、構成日から6月以内に事件を終結しなければならない。簡易手続適用事件の期限は3月とする。特別な事情があり仲裁期間の延長を要する場合、仲裁廷は、主任に報告し承認を得た後、適切に延長することができる。
第76条 緊急仲裁人
(1)仲裁廷が構成される前に、当事者が緊急の臨時的救済を必要とする場合、適用される法又は当事者間の合意に従って緊急仲裁人を指定する申請を書面により提出することができ、許可するかどうかは、本会が決定する。
(2)緊急仲裁人は、当事者の暫定措置申立てについて、その適切と考える方法で審査することができる。ただし、当事者に合理的な陳述の機会を与えなければならない。
(3)前項に定める手続において緊急仲裁人が行った関連する決定、命令又は仲裁判断は、仲裁廷を拘束しない。仲裁廷は、緊急仲裁人が行った関連する決定、命令又は仲裁判断を修正、中止又は取消しをすることができる。
第77条 法律の適用
(1)本会は、当事者が選択した法律に従って仲裁合意の有効性を決定しなければならず、当事者が選択しなかった場合は、中国法を適用し、最も密接な関連原則に基づいて決定しなければならない。
(2)仲裁廷は、当事者が適用を選択した実体法に従って、紛争に対し仲裁判断を下さなければならない。当事者が選択しなかった場合、仲裁廷は、最も密接な関連原則に基づいてい適用法を確定しなければならない。
第78条 仲裁地
(1)当事者が仲裁地について合意した場合、その合意による。
(2)当事者が仲裁地について合意なく、又は不明な場合、本会の所在地を仲裁地とする。
(3)仲裁判断は、仲裁地において行われたものとみなす。
第79条 その他
この章で指定されていない事項については、本規則の他の章の規定を適用する。
第10章 期間及び送達
第80条 期間の計算
(1)本規則にいう「以内」、「以上」、「以下」は本数を含み、「超える」、「前」は本数を含まない。
(2)本規則が日、月をもって期間を計算するものと定めるときは、開始当日は算入せず、翌日より起算する。
(3)期間満了の最終日が法定の休祝日であるときは、その休祝日満了の翌日を当該期間の最終日とする。
(4)期間は、輸送中の時間を含まず、仲裁文書、文書、通知が期間満了前に郵送、発送されたときは、期間内とみなす。
(5)不可抗力その他正当な理由により期間に遅れが生じた場合は、その障害の解消から10日以内に期間延長を申し立てることができ、それを許可するかどうかは、本会又は仲裁廷が決定する。
第81条 送達
仲裁文書は、直接送達、委託送達、郵便送達、電子送達等の方法により送達する。双方の当事者に別段の合意があれば、それによる。
第82条 直接送達
(1)仲裁文書を直接に送達する場合は、送達受取人又はその仲裁代理人、指定を受けた受取代理人に直接送達する。
(2)送達受取人が自然人である場合であって、本人が不在のときは、その同居する成人の親族が署名のうえ受領し、送達受取人が法人その他の組織であるときは、その法人の法定代表者、その他組織の責任者又は事務所、受領所、当直所の職員若しくは指定を受けた受取代理人が署名のうえ受領し、これらの者が署名した日を送達日とする。送達受取人が仲裁文書の受領を拒否した場合、送達人は、送達受取人の住所に仲裁文書を差し置くことができ、写真撮影、録画などの方法で送達の過程を記録し、送達とみなす。
(3)職員が本会に到着した当事者、代理人又は受取代理人に事件に関する文書を送達し、これらの者が送達受取証書への署名を拒んだときは、送達とみなす。送達人は、送達受取証書に受取拒否の事由及び日付を明記のうえ署名しなければならない。
第83条 委託送達
本会又は仲裁廷は、一方の当事者、その他の仲裁機関、関連する行政機関又は事業機関等の機関に仲裁文書等の文書の送達を委託することができ、送達されなかった場合は、本規則に定める他の手段により送達する。
第84条 郵便送達
(1)当事者が仲裁又は答弁の申立てをするときは、送達住所確認書に記入し、送達住所を本会に確認しなければならない。仲裁文書の当該住所への郵送により、送達とする。仲裁終結文書の送達前に当事者が送達住所を変更した場合は、速やかに本会に書面で通知しなければならない。当事者が確認した送達住所が不正確のため、送達住所の変更を速やかに本会に知らせなかったため、送達不能となった法的な結果は、確認を行う当事者が負担する。
(2)当事者が本会に送達住所を確認しなかった場合、契約で合意した住所を送達住所とする。仲裁文書のその住所への郵送により、送達とする。
(3)当事者が本会に送達住所を確認せず、契約にも送達住所の定めがない場合は、仲裁文書を以下の住所に郵送することができる。
1.契約で合意した当事者の連絡先住所
2.相手方当事者から提供されたその他の住所
3.自然人の戸籍に登録された住所、身分証明書の住所又は常居所
4.法人その他の組織の工商登記若しくはその他法に基づく登記、登録がなされた住所地又は営業地
(4)受取人の送達住所を確定することができない場合は、書留郵便その他配達記録が提供されうる方法で、最終的に知られている送達受取人の営業地、登録地、住所地、常居所又は連絡先に送達したとき、送達とみなす。
(5)仲裁文書が最初に送達受取人に郵送されたとき、当事者がその住所について異議を申し立てなかった場合において、その後の手続における同一住所への郵送が受取拒否を受け、署名受領をする者がなく、その他の理由により返送されたとき、送達とみなす。
(6)送達受取人が署名のうえ受領することを拒否し又は署名受領をする者がないときは、文書の返送日を送達日とみなす。
(7)当事者が故意に虚偽の送達住所を提供した場合、それにより生ずる不利な結果を負う。
第85条 電子送達
(1)双方の当事者が電子的な方法による送達に合意し、又は送達を受ける当事者が同意した場合、電子的な方法により送達することができる。
(2)電子送達は、ファクシミリ、電子メール、移動通信などの即時に受領する特定のシステムを送達の媒体とすることができる。
(3)電子的方法により送達する場合、当事者は、その正確な電子送達の住所を本会に確認しなければならない。
(4)仲裁判断書、調停書、決定書は、電子送達を用いない。
第11章 附則
第86条 仲裁の言語
(1)本会は、中国語の使用を原則とする。当事者が他の言語を使用することに合意する場合、その合意によることができる。
(2)本会又は仲裁廷は、事件の具体的な状況に基づき、国際商事仲裁手続の書面に中国語の翻訳又は他の言語の翻訳を添付する必要があるかどうかを決定する。
(3)仲裁手続において言語の翻訳が必要な場合は、双方の当事者が共同して候補者を決定することができ、本会が翻訳者を提供する必要がある場合、その費用は当事者が負担する。
第87条 規則の正式な本文
本会が公布する規則の中国語、英語、ロシア語、日本語、韓国語の本文は、すべて正式な本文とする。異なる本文の表現に異議がある場合は、中国語の表現に準ずる。
第88条 規則の解釈
本規則は、本会が解釈する。
第89条 規則の施行
本規則は、2018年10月1日に施行する。本規則の施行前に受理された事件は、受理時に施行の仲裁規則を適用する。当事者が協議のうえ合意し、本会が認めた場合に、本規則を適用するができる。